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 大阪府摂津市の農業生産法人「ジェイアグリ」が5月、大阪府内では初めて米でグローバルGAP(農業生産工程管理)認証を取得した。6月3日に、同法人の前川彰社長がJA北大阪本店(吹田市)を訪れ、報告会を開いた。
 同法人は、総面積5563平方㍍の田に、昨年から、食後の血糖値の急激な上昇を抑え、血中の中性脂肪やコレステロールの低減効果が期待できる米としてJA北大阪が大学と共同で研究を進めている「wx/ae米」という品種の苗を植えているが、今回のGAPは、その田と農作業場を対象としたもの。
 昨年、既に取得しているシロナ(大阪しろな)、水菜、ホウレンソウ、ラディッシュの4品目に加え、計5品目で認証を取得したことになる。
 指導を担当したJA職員は、グローバルGAP内部監査員・指導員資格を持つ職員であり、JA北大阪は、他JAにおけるグローバルGAP指導員の育成にも協力していきたい考えだ。
 前川社長は、「JAの指導によって水稲でもGAPを取得することができた。これで、大阪でできた米やその米を使った食品を、多くの外国の方に食していただける。特に、今植えている苗は、成人病予防に効果がある機能性米の苗であり、海外の米ブームや健康需要に応えられる。」と話した。
 木下昭男組合長は、「当JAが大学と共同で研究する機能性米とグローバルGAPが融合することにより、機能性米の海外輸出が進めば、狭い農地で栽培される米でもより高価格での買い取りが可能になる。これも、農地の少ない都市農協が提案できる農家所得向上のための施策である。グローバルGAP認証は日本農業にとっても必要。当組合では、グローバルGAPの指導技術をどんどん提供していきたい。」と話した。